我らが王の身罷りてをコスプレして遊ぶ会

2022年2月26日に描写駆動型のGM不要TRPG「我らが王の身罷りて」を対面でコスプレして遊びました。素敵なPLさんが参加してくださり、楽しい一日になりました。

通常とはかなり違う展開になりましたので、あらすじを紹介いたします。

キャラクター紹介

マーク・ゴールドバーグ
暗殺された国王の従弟で幼い5歳の世継ぎに代わってディルストーン家をまとめる伯爵。摂政の座について権力を掌握するために国王を暗殺した犯人ではないかという疑惑が。超絶怪しい。

アルフレッド・サンドリエイル
サンドリエイル家の若き当主。当主になる時に兄2人が謎の死を遂げているので、権力のために手段を選ばない性格なのではという疑惑が。めちゃくちゃ怪しい。

セリア・リュネスト
レシー国王の孫娘で、東方文化などの異文化に興味を持つ姫君。殺伐とした貴族社会の中での癒し系という印象。ただし、日本刀なる物騒なものを持ち歩いているのが気になる。唯一まともかも。

アスラン・アルムグレーン
筆者。王立学院の学生。母親の姓を名乗っているが、実はアンタイアー家の当主の一人息子で、強権的な父親に嫌気が差して家出した。あんな奴とはもう関係ない。

自PC設定は苦肉の策の産物です。参加者の方にアンケートを取って残ったのはオーキ家とアンタイアー家でしたが、オーキ家は設定が全く思い浮かばず、アンタイアー家は蛮族ということで衣装が……と思いついたのが反発して家出した設定です。

本編

国王の暗殺後、アンタイアー公が王位を狙って各地域を侵略、それに対してディルストーン家、サンドリエイル家とリュネスト家は同盟を結んで対処することになりました。一方で伯爵、アルフレッド殿、セリア姫と学院主催の交流パーティーで知り合います。最初は怪しい権力の亡者かと思って警戒していたのですが、ダンスなどで交流を深めるうちに悪くない雰囲気になってきました。

しかしアンタイアー公の侵略が進むにつれ、息子だとバレてしまい肩身が狭くなりました。セリア姫には一体どういうことかと日本刀を持って夜道を追われました。伯爵からはアンタイアー公の侵略行為を放置していることを指摘され、責任を問われて決闘裁判にかけられ敗北。アルフレッド殿からは強引な手段を使ってでも何とかしようという提案も出ます。肩身狭すぎて泣きそうですが、個人の力であんな奴をどうしろというのでしょうか。

ルール上、横暴なNPCをどうにかする手段は限られています。現実と同じく憎まれっ子世に憚る状態です。陰謀と動乱の該当項目があれば可能ですが、それ以外では戦死か王にして凶運カードを使うくらいしかありません。

一方、サンドリエイル家とディルストーン家の過激派が互いに有力者を暗殺しあうも、当主アルフレッドと伯爵が決闘することで場を収め、大きな問題にはなりませんでした。

この流れにより、今回は完全にアンタイアー公が悪役設定になりました。「陰謀と動乱」ではほとんどがアンタイアー家の侵略行為が選択されていたので、担当PLとしては他の家にも悪事をさせたのですが、大事にならずに収まってしまいました(悔しい:笑)。

アルフレッド殿から兄の死について衝撃的な事実が明かされます。次期当主を決める時には兄弟間で殺し合いをする習慣で、殺らなければ殺られていたということです。さらに伯爵から王になってどうしたいのか問われて答えに迷い、旅に出て見聞を広めたいと考えるようになった様子です。一方、伯爵自身は幼い世継ぎと当主を失ったディルストーン家が心配なだけで、本人はそれほど権力の座に執着はないことも分かります。

権力闘争に嫌気が差していたので「王政だからこんなことになる、民主主義にしよう、国王は君臨すれど統治せずでいい」とキレるも、「慎重に進めないと大変なことになる」アルフレッド殿からの警告が。

思いつきで出た「民主主義」発言ですが、この後で結末に影響を残すことになります。描写駆動型の醍醐味かもしれません。年長のマークが他PCのメンター的に動いているのも良いなあと思いました。

国王暗殺事件は残念ながら迷宮入りしそうです。セリア姫とアルフレッド殿は良い関係になりそうな気配があります。侵略の手を緩めないアンタイアー家に対し、ディルストーン家が討伐軍を結成、当主を倒し、平和を取り戻します。戦後、一番の力を得てバンテイヴの支配的な家になったのは、戦功のあるディルストーン家でした。しかし予想外なことに、王位はアンタイアー家の継承権を主張する勢力との妥協の結果、アンタイアー家が継承することになりました。

ここでは手札に大きな予想外の動きがありました。アンタイアー家は最初から数字札ばかり、1枚だけあった絵札を決闘裁判で使っても敗北、数字札しかなかったのですが、最後の戦争と戴冠式で大量の絵札が来ました。それでもAを持っているサンドリエイル家が次期王家と思いきや、サンドリエイル家はなんとスートを揃えようとして絵札を捨てていたということでした。物語上の辻褄合わせに悩みましたが、敗戦した家が王位継承という矛盾を埋めようとするとこうなるかなと思います。

一年後

セリア・リュネスト
さらなる文化交流や多様性への理解のために世界中を旅行中。結婚の話は来ているものの、まだしばらくは自由に過ごしたい様子。

アルフレッド・サンドリエイル
見聞を広めるための旅に出ているというが、実はセリア姫を追っているのではないかという噂もある。サンドリエイル家の悪習を止めて新しい風を吹き込んでくれるはず。

マーク・ゴールドバーグ
バンテイヴの実権を掌握することもできたにもかかわらず、情勢が落ち着くと自分の領地に帰っていったが、また暴君が現れることがないように遠くから見張っていてくれるという。

アスラン・アンタイアー
権力闘争の結果、気が進まないものの形ばかりの王位に。いずれはディルストーン家の世継ぎを婿養子にして安泰を図ることを考えている一方、民主主義を実現したいとも思っている。

凶運カードのJが手元に3枚も一気に来たためどう使うか悩み、PLの皆様に相談した結果、使わないことになりましたが、ハートのJでアルフレッドあたりが正当な王位継承権者という世界線もありました。また、他のPLさんが持っていた凶運カードも使わずに平和なままにしていただくことになりました。

あとがき

このセッションは、自PCアスランの手番が最後だったため、PC同士の関係が良好であることを描きたいと思い、一年後に再開を約束した思い出の店に向かう描写で締めくくらせていただきました。

今回のセッションは国は戦争で焼け野原、PCの関係は険悪になり、暴君が即位して凶運カードの嵐で終わることが多い「我らが王の身罷りて」としては珍しく平和な結末になりました。心残りは唯一の経験者だったにもかかわらず物語的に美味しいところをいただいてしまったことなので、次は闇属性PCで悪役として討伐される側をやろうかと考えています。

専任GMも準備も不要でスケールの大きな物語ができる「我らが王の身罷りて」はお薦めですので、ぜひ多くの方に遊んでいただきたいと思います。

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